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【さくら色clover】(38)
すずか、アリサ、はやての3人によるなのフェイ談義

今回含めてあと3話。
終わる気配感じられないかもしれないけど終わるのですよ!!!!


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(38)



 夏休みが終わり、新学期が始まると受験勉強も追い込み時期に入った。
 フェイトを除く4人は受験に対する不安が多少なりともあるとはいえ、あまりピリピリした様子はなく今までと変わらない毎日を過ごしていた。
 久しぶりに5人で集まって息抜きでもしようという話になったのだけれど、今はまだアリサ、すずか、はやての3人しか集まっていない。
「すずかはなのはとフェイトにどうなってほしいのよ?」
 なのはとフェイトが遅れてくるという連絡を受けたのを好都合と思いながら、アリサはずっと気になっていたことを切り出した。
「フェイトがイギリスにいっていない時に随分なのはをいじってたけど。 実際、どうなの?」
 アリサの質問にすずかは真剣な顔をして考え込む。
「前はフェイトちゃんのことでわたわたしてるなのはちゃんを見るのが楽しかったけどなー」
「はやては面白がってるだけでしょ? でも、すずかはそうじゃないんでしょ」
 どうなの?とアリサはすずかに視線を送る。
「私の勝手な意見なんだけど、なのはちゃん、フェイトちゃんに一目惚れだったんじゃないかな?」
 なのはちゃんの気持ちは全然わからないけど、とすずかは言葉を付け加えて話を続ける。
 公園での出会いから始まり、2人きりで会うことも多かったらしい。偶然とはいえ、フェイトの複雑な事情を知ってしまったなのはは彼女のことを4人の中で誰よりも気に掛けるようになった。
「メール見てる時とかすごく嬉しそうだし」
 すずかから見たなのははまさに恋する女の子という感じだった。
 ちょっとしたことで喜んだり、落ち込んだり、不安になったり。フェイトに起こることを自分のことのように思いながら、悩んでいる姿はどこか微笑ましかった。
 その姿を見たすずかはなのはがフェイトに恋心のようなものを抱いているのかもしれないと思っていたのが、最近のなのはを見ているとよくわからない。
「確かに、どういう意味の好きかはわからないけど。 なのはがフェイトをことを好きなのはわかるわよ。 でも、友達としてかもしれないでしょ?」
「それはないんやない?」
 すずかの話を聞いていたアリサの疑問を否定したのははやてだった。
「なのはちゃん、フェイトちゃんへの接し方が私らの時とは違うし」
「誰だって、全員に同じような接し方をするわけじゃないでしょ?」
「それでも、明らかに私らとは態度違うからなー」
 確かになのはのフェイトへの接し方はアリサから見ても違っていた。過保護だと呆れたこともある。
 だけど、中学から付き合いのある3人と、高校生になってから出会ったフェイトとでは接し方が違うのは当たり前だと思うのだが、すずかとはやてはそうは考えなかったらしい。
「なのはちゃんも自分の気持ちがわからないんじゃないかな?」
 フェイトがイギリスに帰ってしまうと聞いた時、すずかはなのはがもっと動揺すると思ったが予想は外れた。最初は驚きのあまり何も言えないのかな?とすずかは考えたのだが、いつまで経ってもなのはの反応は変わらなかった。
 そのことがどうしても気になって、それからすずかはなのはのフェイトへの態度を今まで以上に注意して見るようになった。
「たぶんなのはちゃんのことだから、このまま卒業して、フェイトちゃんがイギリスに帰ったとしても何も変わらないと思う」
「それなら、それでいいじゃない」
「アリサちゃんは乙女心がわからないんやねー」
「あのねぇ、私たち5人の中で恋愛の話で盛り上がったことなんて一度もないでしょ?」
 教室の中では時々クラスメートたちが色恋沙汰で盛り上がっていることもあるが、アリサ本人はそういうことには無縁だった。女子校を言い訳にするつもりはないけれど、5人で集まった時もそんな話題になったことはなかった。
「私、恋人いないなんて言ったことなんてないよ?」
「はやてちゃん、付き合ってる人いるの?」
「いや、おらんけど。 でもアリサちゃんよりなのはちゃんの乙女心はわかってるつもりやで」
「それはそうかも」
 くすくす笑い合う2人にアリサは半ば呆れ顔で小さくため息をつく。
 春になりフェイトが帰国してしまったら、今までのように5人で簡単に集まることが出来なくなる。それは寂しいけれど、それなら残された高校生活を楽しいものにしたいとアリサは考えていた。
 確かにあんなに「フェイトちゃんフェイトちゃん」と言っていたなのはのフェイトが帰国してしまうということに対する反応がいまいちだったことは気になるけれど、3人で色々と話し合ったところで肝心のなのはの気持ちがわからなければどうしようもない。
「なのはちゃんのことも気になるけど、私はフェイトちゃんのことも気になってるんや」
「はやてちゃん、それどういうこと?」
「なんだかんだいってフェイトちゃんってなのはちゃんと一緒にいること多いなー、と思って」
 はやての言葉にアリサとすずかは大きく頷く。
 最初の頃はなのはの方がフェイトに歩み寄っていたこともあって、5人でいる時のフェイトははやてかなのはと一緒に行動することが多かった。
 はやてもアリサたちにフェイトを紹介した身なので、始めの頃は5人でいる時に彼女が孤立しないように多少の気は回していた。やがて時間が経つにつれてフェイトがアリサとすずかとも打ち解けてきたようだったので、はやてはそんな気の遣い方はしなくなったのだけれど、ある時ふと気になったことがあった。
 5人で一緒にいても移動する時などは2人と3人に分かれることが比較的多い。
 その時になのはとフェイトの2人で話していることもあれば、なのはとフェイトと誰かという3人というグループ分けになっていることが圧倒的に多い。
 そのことに気がついたはやては、それから2人の様子を時々注意深く見るようになっていた
「なのはちゃんもそうだけど、フェイトちゃんもなのはちゃんと一緒にいるようにしてるんかなって」
 そうでなければ毎回あんなグループ分けになるなんて偶然が重なりすぎている。それにはやてが何よりも気になったのは、フェイトがイギリスから帰ってくる日のことだった。
「なのはちゃんだけ前々からフェイトちゃんが帰ってくる日にち知ってたし」
「まぁ、確かに……。私たちもメールはもらったけど」
「甘いで、アリサちゃん。 実際に日程が決まって私たちにメールがきた時には、既になのはちゃんが駅までフェイトちゃんをお迎えに行くことは決まってたんやで?」
 そのことはすずかもアリサも知らなかったようで、驚いたような顔をしていた。
「なのはちゃんだけお迎えいってずるいとか、羨ましいとか、そういう意味は全然ないんやけど。 なんでフェイトちゃんは先になのはちゃんに連絡したんかな、っていうのがどうも気になって……」
「なのはの方から連絡したかもしれないでしょ?」
「それはそうやけど」
 フェイトが帰ってくる日にはやてはアルバイトがあったために都合が悪く、結局、お迎えに行ったのはなのはだけだったのだが、フェイトの行動も色々と気になることが多い。
「今日だって5人で集まるって話になってたのに2人で遅れてくるってなんなん? 秘密の恋人かぁー!!!!」



「はやて、落ち着いた?」
「すみません。 落ち着きました」
 はやてはテーブルに額を押し付けるような姿勢のままアリサとすずかに謝った。
「全く……。 2人とも、なのはたちのこと、もうちょっと放っておいたあげたら?」
「そんな悠長なこと言ってる時間ないんや。 あと数ヶ月もしたらフェイトちゃん、イギリスに帰ってしまうし」
「でも、あと数ヶ月で2人の関係が劇的に変わるようには思えないけど」
 アリサの的確な指摘にはやては言葉につまる。
 何とかしてあげたい、何か変わってほしいという気持ちはあるけれど、下手に首を突っ込んでこじらせてしまうのもよくない。はやてだってそれがわかっているから、こうしてなのはたちがいない時にだけ思っていることを声に出して言うことしかできない。
「あのね、2人とも。 私も気になることがあるんだけど」
 今度はすずかが小さく手を上げた。
「フェイトちゃんがイギリスに帰るのを引き止めた人っているのかな?」





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