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【さくら色clover】(37)
青春1ページ。

なのはさんがんばれ。
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(37)



「帰らないで」

 なのはがそう言ったところで、フェイトは考えを変えてくれるのだろうか。
 アリサたちと別れて帰宅したなのはは勉強をする気になれずにぼうっとしていた。
 受信メールを見ると、フェイトと最後にやり取りをしてから半月が経とうとしていた。
 夏期講習中のなのはたちとは違い、フェイトは今が大事な時期らしい。加えて時差があることもあり、なのはから連絡を取ることは控えていた。
 だけど、改めてメールの受信ボックスを見てみると、夏休みに入ってからのやり取りがそれ以前に比べると極端に少ない。
 いくらメールで連絡を取り合えるとはいえ、フェイトがイギリスで生活するようになったら、恐らく今のような状態になってしまうのだろう。
 それでも――フェイトの帰国を止める勇気はなのはにはない。
 リンディの話から、フェイトがどれほど家族のことが大好きで大切に思っているということがなのはにはわかってしまう。
 それに家族の思い出を話している時のフェイトの嬉しそうな顔を間近で見たことだってある。
 あの表情を知っているから、家族と過ごした思い出の地に帰ろうとしている彼女に日本に残ってほしいと伝えることはできない。

「なのはちゃんの気持ちは?」

 すずかの言葉がなのはの頭の中をぐるぐると回る。
「そんなの、わからないよ……」
 夏休みが終われば、また今まで通り5人で集まる機会も増える。その先のことは相変わらずなかなかイメージが浮かんでこない。
 思わず頭を抱えてしまったなのはの耳に、メールの受信を知らせる着信音が聞こえてきた。

『28日到着の飛行機で帰ります』

 送信者と本文に書かれている日付を、なのは何度も見返す。
 そしてすぐに鞄から手帳を取り出すと予定を確認した。
「何時頃つくのかな……?」
 空港まで迎えに行くのは無理かもしれないけれど、どこかの駅で会えるかもしれない。その日は特に重要な予定がないことを確認したなのははすぐに返事を返す。
 しばらくして、再び着信音が鳴る。
 なのはは何回かメールのやり取りをした後、手帳にフェイトと約束した時間と場所を書き込んだ。

 久しぶりフェイトちゃんに会える――。

 その事になのはの頬は緩んでしまう。
 さっきまでの悩み事はいつの間にかどこかにいってしまっていて、今は28日が待ち遠しくて仕方がない。
 なのははすぐ近くの、簡単に思い描くことができる未来だけを楽しみにして、眠りについた。




→Next




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